
秋から冬にかけては、寒さや朝晩の寒暖差によって血管が収縮するため、血圧が上がりやすい季節です。高血圧は初期段階では気付きにくい一方で、放置するとさまざまな病気に繋がるリスクがあります。そのため、本格的な寒さを迎える前に、日頃から血圧を意識した生活を心がけることが大切です。
今回は今日から実践出来る高血圧予防のポイントをご紹介します。
1. 高血圧とは?
健康診断で「血圧が少し高めですね」と言われたことはありませんか?高血圧は自覚症状が殆どないまま進行することが多く、「少し高いだけだから大丈夫」と考えるのは禁物です。血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の壁を押す力のことです。日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、診察室で測定した血圧が140/90mmHg以上、家庭で測った血圧が135/85mmHg以上を高血圧と定義しています。
血圧が高い状態が続くと血管が傷ついて動脈硬化が進み、脳卒中や心不全、腎臓病などの病気を引き起こすリスクが高まることが知られています。高血圧の原因は、塩分の摂りすぎ、肥満、運動不足、飲酒や喫煙、ストレスなど、日々の生活習慣と深く関わっています。さらに、これからの季節、気温が下がると体温を保つために血管が収縮し、血圧が上昇しやすくなるため、本格的な寒さを迎える前に、対策を始めましょう。


2. 食生活のポイント
(1) 減塩を心がける
高血圧予防・改善のために、まず意識したいのが「減塩」です。日本人の食事摂取基準では、1日の食塩摂取目標量は男性7.5g未満、女性6.5g未満とされています。さらに、高血圧の治療中の方は、血圧管理のために1日6g未満が推奨されています。ですが、日本人の多くは、平均してそれ以上を摂取しているという統計データもあります。減塩というと味気ない印象がありますが、工夫次第でおいしく食事を楽しめます。だしの風味や香辛料の香り、酢、レモンなどの酸味を活用することをおすすめします。
また、醤油やソースは料理に直接かけるのではなく、小皿につけて食べることで使用量を減らすことができます。麺類のスープを飲み干さないことや、減塩タイプの調味料を取り入れるといった工夫も効果的です。さらに、野菜や果物、海藻、いも類に多く含まれるカリウムは、体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を助けてくれます。
毎日の食事にこれらの食材を取り入れることを意識し、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。但し、腎臓の病気などでカリウム制限を受けている方は、必ず医師や管理栄養士の指示に従ってください。


(2) 適正体重を維持する
肥満は血圧を上昇させる要因の一つです。食べ過ぎや間食の習慣を見直し、適正体重を維持することを意識しましょう。
普段の食事の工夫にプラスして、より効果的に取り組みたい方は、健康的な生活習慣をサポートする特定保健用食品(トクホ)などの商品を活用するのも一つの方法です。


トクホの中には、「血圧が高めの方に適する」と表示されている商品があります。但し、これらの商品は健康的な食生活や生活習慣を補うものであり、それだけで血圧が下がるわけではないため、基本の食事管理と合わせて取り入れましょう。
市販の特定保健用食品は、お茶やサプリメントなどさまざまな商品がありますので、どの商品を選べばよいか迷ったときは、お気軽に店頭の栄養士や薬剤師などの専門家にご相談ください。
3. 生活習慣のポイント
血圧を管理するために基本となるのが、家庭での血圧測定です。朝起きて1時間以内、排尿後、朝食前など、出来るだけ同じ条件で測定すると、ご自身の血圧の変化を把握しやすくなります。日々の記録は、体調の変化に気づくきっかけにもなります。
また、高血圧予防には運動習慣も欠かせません。ウォーキングなどの有酸素運動を毎日30分程度、または週180分以上を目安に続けることが推奨されています。まとまった時間が取れない場合でも、ごみ出しのついでに近所を歩いてみる、エレベーターではなく階段を使うなど、日常生活の中で体を動かす機会を増やしてみましょう。


睡眠不足やストレスも血圧に影響を与えることがあります。十分な睡眠時間を確保し、規則正しい生活を心がけましょう。また、ぬるめのお風呂にゆっくり入る、軽いストレッチをするなど、心身をリラックスさせる時間を作ることも大切です。
また、お酒を飲む方は適量を心がけ、喫煙習慣のある方は禁煙を検討してみましょう。禁煙は血圧だけでなく、全身の健康維持にも繋がります。


高血圧予防は、特別なことを始めるよりも、毎日の小さな積み重ねが大切です。「今日は減塩を意識してみよう」「階段をなるべく利用しよう」といった小さな一歩が、これからの健康に繋がります。出来ることから少しずつ取り入れて、寒さが深まる季節を元気に過ごしましょう。
ドラッグインフォメーショングループ
2026.09.01









