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秋の夜長の睡眠トラブル対策

 ことわざで「秋の日は釣瓶(つるべ)落とし」といわれるように、秋は日暮れが早くなります。そのような季節の変わり目に「なかなか寝つけない」「朝スッキリ起きられない」といった睡眠トラブルを抱える方が増えてきます。
今回は、そのような秋の睡眠トラブルでお悩みの方に対策をご紹介します。

1. 秋の睡眠

 人間の体は、朝起きて太陽の光が目に入り、その刺激で体内時計がリセットされる仕組みになっています。体内時計は、日中に心身を活動的にし夜には自然と眠りへ導くという1日のリズムを作り出しています。その体内時計と密接に関わっているのが主に「メラトニン」というホルモンです。別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれるメラトニンは、体内時計がリセットされてから約14〜16時間後に分泌され、眠気をもたらします。

 ところが秋から冬にかけて徐々に日の出が遅くなると、体内時計のリセットが遅れ、メラトニンの分泌リズムが乱れてしまいます。その影響によって、寝つきが悪くなったり、目覚めがスムーズにいかなくなったりします。このような睡眠トラブルを避けるために、快眠をサポートする栄養素を食事に取り入れる等、快眠のための生活習慣を身に付けましょう。

2. 快眠をサポートする栄養素と食品

 快眠をサポートする栄養素を意識的に摂取することで、体内時計を整える手助けになります。特に注目したいのが、人間の健康維持に欠かせない必須アミノ酸の一つである「トリプトファン」です。日中にトリプトファンが脳内でセロトニンに変換され、夜になるとセロトニンがメラトニンに変化します。この流れをスムーズにするためには、朝食にトリプトファンを多く含む食品を摂ることが大切です。主な食品としては、大豆製品(納豆や豆腐等)、乳製品(牛乳やヨーグルト、チーズ等)、ナッツ類等が挙げられます。

 さらに、トリプトファンからセロトニンを合成するには「炭水化物」と「ビタミンB6」が欠かせません。炭水化物はパンやごはん、麺類等、ビタミンB6はバナナやサツマイモ、赤身の魚(マグロやカツオ)等に含まれています。中でも、バナナはトリプトファン、炭水化物ビタミンB6の3つを含みつつ忙しい朝に手軽に食べやすい食品です。このほかにも、睡眠の質を高める働きがあるといわれている「GABA」「L-テアニン」等が含まれる機能性表示食品もあります。

ご興味のある方は、お気軽に店頭で栄養士や登録販売者等の専門家にご相談ください。

3. 快眠のための生活習慣改善ポイント

 快眠のためには、生活習慣を整えることも大切です。そのためには、朝起きたら太陽の光を浴びる習慣を身に付けましょう。体内時計のリセットに効果があります。また、朝食を毎日しっかり取ることも、体内時計をリセットするために重要な要素です。

 また、日中にお昼寝をする場合は、長すぎると睡眠の質を低下させる恐れがあるため、午後3時までの時間帯に30分以内にとどめましょう。夕方には軽いウォーキングやストレッチ等で体温を上げておくと、就寝時に体温が下がってスムーズな入眠に繋がります。

 夕食は就寝3時間前までに済ませるのが理想的です。就寝直前の食事は消化活動が活発になり、深い眠りを妨げる原因になります。入浴はぬるめのお湯にゆっくりと浸かることで、心身の緊張がほぐれ、睡眠の質が高まります。強い光は神経を刺激してしまうので、タブレットやスマートフォン等、強い光を発する機器の使用は、就寝2時間前には控えるようにしましょう。

 また、より入眠に適した生活環境へ整えるために、就寝前に過ごす場所では、照明を白色の明るいものではなく、暖色系の暖かみのあるものにするのがおすすめです。照明器具の設定で変更できる場合は「昼光色」や「昼白色」から「電球色」へ切り替えましょう。設定で照明の色を変更できない場合は、間接照明を活用するのも良いでしょう。寝ている間は、低い照度の光でも中途覚醒時間を増加させ睡眠の効率を下げるといわれているため、寝室ではできるだけ暗くして寝ることが良い睡眠に繋がります。


 睡眠は、日中の活動力を支えるだけでなく、心と体の健康を保つために欠かせないものです。睡眠のリズムが乱れがちなこの季節、眠れない日には、今回ご紹介した対策などをお試しになってみてはいかがでしょうか。

ドラッグインフォメーショングループ

2025.09.01