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熱中症予防のために実践したいポイント

 今年の夏は全国的に平年よりも平均気温が高く、猛暑が予想されています。
暑くなってくるこの時期に心配になるのが熱中症です。
今回は熱中症を予防する上で役立つポイントをご紹介します。

1.熱中症のメカニズム

 人の体は、汗をかいて蒸発させたり、体の表面から熱を逃がすことで、体温を調節し一定に保っています。しかし、気温や湿度が高い環境では、体内で作られた熱を上手に外に逃がすことが出来なくなるため、体はより多くの汗をかいて熱を逃がそうとします。この状態が続くと、内から水分や塩分が失われてしまい、十分な血液が重要な臓器に行き渡らなくなります。悪化すると、めまい、頭痛などの全身症状や意識障害が引き起こされるようになり、熱中症発生の要因となります。

 熱中症の発生には、体調や健康状態も影響します。体調が優れない時は、体温調節機能も弱っているため、普段よりも熱中症のリスクが高まります。また、体温調節機能が十分に発達していない乳幼児や、脱水が進んでも喉の渇きを感じにくいご高齢の方なども、熱中症になりやすいため注意が必要です。

 体がまだ暑さに慣れていない時期は、体が対応し切れず、熱中症のリスクも高まります。初夏や梅雨明け後の気温が急上昇する時期や夏休み明けなどは、特に注意が必要です。こうした時には無理をせず、屋外でも室内でも体調に注意し、水分補給と適度な休憩を取るようにしましょう。

2.暑さに負けない体づくりのポイント

 熱中症を予防するためには、水分補給に加えて、日頃から意識して栄養バランスの取れた食事や十分な休息を取るよう心掛け、無理のない範囲で、暑さに負けない体づくりをしていくことが大切です。

(1)こまめに水分を摂る

 汗をかくと体内の水分と塩分が失われます。喉が渇いていなくても、1日1.2Lを目安に、水やお茶などでこまめに水分を補給しましょう。運動時や作業時に汗を大量にかく時には、水分と一緒に塩分も補給しましょう。こうした時には、水分の吸収がスムーズで、汗で失われた塩分の補給にも繋がるスポーツドリンクや経口補水液など、0.1~0.2%の食塩(ナトリウム40~80㎎/100㎖)と4~8%の糖質を含む飲料を選ぶと良いでしょう。

(2)きちんと食事を取る

 暑さで食欲が落ちやすい夏場は、つい喉越しの良い麺類などに偏ってしまいがち、という方もいるかもしれません。このような食事が続くと体に必要な栄養が摂れず、体力が低下し、熱中症を起こしやすくなるため、注意が必要です。

 1日3食を規則正しく取り、主食・主菜・副食が揃った栄養バランスの良い食事を取るように心がけましょう。特に朝食は、寝ている間に失ってしまった水分と塩分を補給する上でも重要なため、きちんと食べるようにしましょう。また、ビタミンB1・ビタミンC・たんぱく質などの不足しやすい栄養素を意識して摂るようにすると良いでしょう。

(3)十分な睡眠を取る

 睡眠不足は、体調不良の原因となり、熱中症のリスクを高めます。通気性・吸水性の良い寝具を使う、エアコン・扇風機を適度に使うなど、快適な睡眠環境を整え、質の良い十分な睡眠を取るように心がけましょう。

(4)暑くなる前に暑さに慣れる

 暑い日が続くと、体は次第に暑さに慣れて対応出来るようになります。この状態を「暑熱順化」と言い、発汗や皮膚の血流の反応が良くなり、効率的に体内の熱を放出出来るようになることで、熱中症になりにくくなります。暑熱順化には個人差もありますが、数日から1週間かかるといわれています。このため、暑くなる前から、近い距離は歩くようにし、なるべく階段を使う、入浴時はシャワーのみで済ませず湯船に浸かるなど、無理のない範囲で日常生活の中で意識的に汗をかくように心がけることで、体が対応できるようにしておくと、熱中症のリスクを下げることに繋がります。

3.暑さ対策のポイント

 暑さは、生活の中での工夫により和らげることも出来ます。次のポイントを参考にして、上手に暑さを和らげ、熱中症のリスクを下げましょう。

(1)適切な室温・湿度保つ

 扇風機やエアコンなどで室温を適度に下げましょう。過度の節電やこの程度の暑さなら大丈夫だろう、といった我慢は禁物です。扇風機やエアコンなどを使用して、室温は28℃、湿度は50~60%を目安に保つようにしましょう。

(2)衣服を工夫する

 熱がこもりにくい服装を選びましょう。衣服には麻や綿などの通気性の良い素材、下着には吸水性・速乾性に優れた素材を選ぶと良いでしょう。また、外出の際は日傘や帽子を使用して直射日光を避けるようにしましょう。

(3)冷却グッズを利用する

 冷却シート・スカーフ・氷枕などの冷却グッズを利用しましょう。両首の首筋など、太い血管が体の表面近くを通っている部位を冷やすと、効率良く体を冷やすことが出来ます。

 その他、ドラッグストアなどの店頭には衣類用の冷却スプレーや温湿度計など、熱中症予防に役立つ商品が多数あります。こうした商品の選び方や、ご自身の生活などで気になることがある場合には、お気軽に店頭の栄養士や薬剤師などの専門家にご相談ください。

 夏は開放的な気分で活動的になる一方、暑さで体調を崩しやすい時期でもあります。感染対策を行いながら、屋外で人と十分な距離が確保できる場合には適宜マスクを外すなど、熱中症のリスクに配慮しつつ、熱中症予防のポイントをご自身の生活に取り入れて、暑さに負けずに元気に夏を過ごしましょう。

ドラッグインフォメーショングループ

2022.06.01