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睡眠の質を高めるポイント

 新生活が始まる春は、体調管理を万全にして迎えたいものです。睡眠は、健康的な毎日を送るために不可欠ですが、現代人は、その生活スタイルにより睡眠不足に陥りやすい環境にあります。

今回は、「眠りが浅い」「疲れが取れない」「日中に眠気が出ることが多い」等のお悩みを抱えている方に向けて、快眠のためのポイントをご紹介します。

1. 睡眠が健康に与える影響

 睡眠は、私達の健康に多くの効果をもたらします。一つは、心身の疲労を回復させる効果です。睡眠中は、体の修復・回復を促す成長ホルモンが分泌され、新陳代謝が活発になります。また、脳も休まり自律神経の働きが整うため、ストレス解消にも繋がります。他には、肥満の防止効果もあります。十分な睡眠が取れている場合、食欲をコントロールするホルモンが適切に分泌され、エネルギーの代謝も上がることから、肥満防止に繋がります。

 このように、睡眠は私達が生きていく上で必要な体の機能に密接に関係しています。そのため、睡眠不足が続くと、日中に慢性的な眠気や疲れやすさを生じる、注意力の低下等を招く他、肥満・糖尿病・高血圧・脂質異常症等の生活習慣病やうつ病の発症リスクを高める等、心身の健康に様々な影響を与えます。

 現代人は、長時間通勤やシフト勤務、PC・スマートフォン等の普及等による夜型生活の増加等、睡眠不足に陥りやすい生活環境にあります。厚生労働省が2019年に実施した「国民健康・栄養調査」によると、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合は全体の約4割、睡眠全体の質に満足出来ていない人の割合は約2割でした。

 適切な睡眠時間はどれくらいかというと、成人ではおおよそ6~8時間、少なくとも6時間以上を目安とすると良いといわれています。ご高齢の方の場合は、寝床で過ごす「床上時間」が長いと健康リスクに繋がるため、床上時間が8時間以上にならないことを目安に、必要な睡眠時間を確保することが良いといわれています。但し、適切な睡眠時間には個人差があるため、日中の眠気で困らなければ十分です。

 また、睡眠時間と併せて大切なのが「睡眠休養感」(睡眠で休養が取れている感覚)です。睡眠休養感の低下は、肥満や糖尿病、こころの健康等、様々な健康リスクに影響します。心身の健康維持のためには、睡眠休養感を高めること、つまり、生活習慣や睡眠環境等を見直して、睡眠の質を高めることが重要です。

2. 睡眠の質を高めるポイント

 健康を維持するためには、質の良い睡眠を取ることが大切です。生活習慣と食生活それぞれのポイントをご紹介します。

(1) 生活習慣のポイント

・毎日同じ時間に就寝し、起きたら太陽の光を浴びる

 体内時計のずれは、朝、目から入る太陽光によってリセットすることが出来ます。朝起きたらカーテンを開け、太陽の光を浴びることを習慣付けましょう。

・ 就寝前は強い光を浴びない

 夜に照明やスマートフォン等の強い光を浴びると、睡眠を促すメラトニンの分泌が抑制されることで眠りにつきにくくなってしまいます。就寝前は照明の明るさを抑えたり、PCやスマートフォンの使用を控えるようにすると良いでしょう。

・ 平日の睡眠時間を確保する

 平日の寝不足を休日に取り返そうと、休みの日に寝坊をして過度に寝だめする方もいますが、体内時計のリズムを狂わせ、かえって不調の原因になります。出来るだけ平日の睡眠時間をしっかり確保することを心がけましょう。

・適度な運動習慣を持つ

 ウォーキングやジョギング等の有酸素運動を習慣にすると、寝つきが良くなり、途中で目が覚めることが少なくなるといわれています。就寝の2~4時間前までに運動をすると、一時的に上がった脳の温度が就寝時に下がり、快眠が得られやすくなります。但し、就寝直前の激しい運動は、体が興奮して眠れなくなるため避けましょう。

・適切な温度と時間で入浴する

 入浴は、就寝1~2時間前が理想的といわれています。入浴時間は、40℃程度のぬるめのお湯で30分程度、熱めのお湯を好む方は、42℃程度のお湯で5分程度を目安にすると良いでしょう。但し、42℃以上のお湯で長時間入浴すると、体が興奮し覚醒してしまうため注意しましょう。

(2) 食生活のポイント

 1日3食、規則正しく取ること、特に朝食を取ることが大切です。朝食を取ることは、体内時計の調整に役立つだけでなく、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の材料となる栄養素、「トリプトファン」と「ビタミンB6」を1日の早い時間帯に摂ることで、夜間に効率よくメラトニンが分泌されることにも繋がります。トリプトファンは大豆製品や乳製品に、ビタミンB6は肉、魚、じゃがいもやさつまいも等の野菜、柑橘類を除く果物等に多く含まれています。次の食品を朝食に取り入れると良いでしょう。

 また、メラトニンの分泌量は、年齢とともに減少するといわれていますので、年齢に応じて、トリプトファンを意識して摂ることを心がけましょう。

 食事だけで十分な栄養素を摂ることが難しい方は、ビタミンB6、トリプトファンをサプリメントやプロテインで補うことも出来ます。また、更に快眠を求める方は、睡眠の質を低下させるストレスや疲労感の緩和に役立つ「GABA」「乳酸菌」「テアニン」等が配合された機能性表示食品を、食事と合わせて利用する方法もありますので、栄養士等の専門家にご相談ください。

 新生活がスタートし、新たな出会いも増える春は、環境の変化により、睡眠等の生活リズムが乱れやすい時期です。今回ご紹介したポイントを参考に、規則正しい生活を送ることで睡眠の質を高め、健康的な毎日を過ごしましょう。

ドラッグインフォメーショングループ

2024.03.01