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疲れ目の原因と対策のポイント

 パソコンやスマートフォンの普及等、生活環境の変化により、現代人の目の負担は昔に比べて大きくなっています。
そこで今回は、疲れ目の原因とその対策のポイントについてご紹介します。

1. 疲れ目の原因

 私達は物を見る時、「水晶体」というカメラのレンズのような働きをする部位を調節してピントを合わせています。この水晶体を調節しているのが、「毛様体筋」という筋肉です。例えば、パソコンやスマートフォン等を見る時には、近くの対象を見るために毛様体筋は収縮し、緊張した状態になります。この緊張状態が長く続くと、毛様体筋は疲労し、目の疲れを感じるようになります。

 また、水晶体の柔軟性が年齢とともに失われると、ピントを合わせづらくなります。この状態は「老眼」と呼ばれ、ピントを合わせようとして毛様体筋に負担がかかるため、目が疲れやすくなります。
 更に、正常な目の表面は涙に覆われていて滑らかな状態をしていますが、涙の分泌量が減少し乾燥すると、表面が凸凹した状態になってしまいます。すると、通常はピントが合っている状態でも視界がぼやけた状態になってしまうため、脳は無理に筋肉を動かして調節しようとし、通常よりも調節機能に負担がかかり、目の疲れが生じます。

 上記に加え、適切な休憩を取らずに長時間作業をした時や十分に睡眠が取れない状況では、目に必要な栄養や酸素が不足しがちになるため、より疲れを感じやすくなります。
 通常、「疲れ目」は一時的な目の症状のため、目を休めることで改善します。しかし、目の疲れをそのまま放置してしまうと、更に症状が進行して「眼精疲労」となり、目だけでなく、頭痛や肩こり、吐き気等、全身に様々な不調を生じるようになります。

2. 疲れ目対策のポイント

 疲れ目を眼精疲労まで進行させないためには、目の疲れを放置せずに対処することが大切です。次に対策のポイントをご紹介します。

(1) 適度に目を休める

 パソコンやスマートフォン等の画面を長時間見る場合は、1時間に1回、10~15分程度の休憩を入れ、目を休ませるようにしましょう。休憩することが難しい場合は、いったん別の作業を行ったり、遠くの景色をぼんやり見たり、目を閉じる等して目を休める工夫をしましょう。また、疲れを感じた時は、目の周りの筋肉の緊張をほぐすため、ホットアイマスクや蒸しタオル等で目の周りを温めるのも良いでしょう。

(2) 目の乾燥を防ぐ

 集中して何かを見ていると、まばたきの回数が減ってしまいます。意識的に目を閉じてまばたきの回数を増やすようにし、目の乾燥を防ぎましょう。またエアコンの風が顔に直接あたらないように風向きを調節する、加湿器で部屋の湿度を50〜60%程度に調節する等、乾燥を防ぐ環境づくりを心がけることも良いでしょう。

(3) 自分の目に合った眼鏡・コンタクトレンズの使用

 度数が合わない眼鏡やコンタクトレンズの使用は、調節機能に負担がかかり、目が疲れやすくなります。定期的に目の検査をし、自分の目に合った眼鏡やコンタクトレンズの使用を心がけましょう。また、コンタクトレンズ使用時は目が乾燥しやすい状態になります。目の乾燥を感じた時は、一時的に眼鏡に代えるのも良いでしょう。

(4) 作業環境を整える

 パソコンやスマートフォン等の画面が明る過ぎると、まぶしく感じて目が疲れやすくなります。部屋は照明等で明るく保ち、画面の明るさはやや抑えるようにすると良いでしょう。目と画面の距離は、40cm以上離すことを心がけましょう。また、目線よりも画面が上にあると、まぶたが大きく開き、目がより乾燥しやすくなるため、目線がやや下になる姿勢で使用すると良いでしょう。

(5)自分に合った目薬の使用

 疲れ目を和らげる対処法の一つに、市販の目薬を使用する方法もあります。自分に合った目薬を選んで、目の疲れや目の乾燥等を感じたタイミングで適切に使用しましょう。

①パソコンやスマートフォン等をよく利用する方

 毛様体筋に働き、目の調節機能を改善する「ネオスチグミンメチル硫酸塩」、ブルーライトによる角膜のダメージを修復する「アラントイン」、目に栄養を与えて疲れを改善する「タウリン」等の成分が配合された目薬(「Vロートプレミアム」等)を選ぶと良いでしょう。

②年齢とともに目が疲れやすく感じる方

 ネオスチグミンメチル硫酸塩の他、目の新陳代謝を促進する「ビタミンB6」、目の血行を促進する「ビタミンE」等の成分が配合された目薬(「スマイル40プレミアム」等)を選ぶと良いでしょう。

③目の乾きの症状がつらい方

 目に潤いを与えてあげることが大切です。涙に近い成分が配合された人口涙液タイプの目薬(「ソフトサンティア」等)や、角膜を保湿・保護する「コンドロイチン硫酸エステルナトリウム」等が配合された目薬(「新ロートドライエイドEX」等)を選ぶと良いでしょう。コンタクトレンズをお使いの方は、着けたまま点眼出来る目薬を選ぶようにすると良いでしょう。

①パソコンやスマートフォン等をよく利用する方

 毛様体筋に働き、目の調節機能を改善する「ネオスチグミンメチル硫酸塩」、ブルーライトによる角膜のダメージを修復する「アラントイン」、目に栄養を与えて疲れを改善する「タウリン」等の成分が配合された目薬(「Vロートプレミアム」等)を選ぶと良いでしょう。

②年齢とともに目が疲れやすく感じる方

 ネオスチグミンメチル硫酸塩の他、目の新陳代謝を促進する「ビタミンB6」、目の血行を促進する「ビタミンE」等の成分が配合された目薬(「スマイル40プレミアム」等)を選ぶと良いでしょう。

③目の乾きの症状がつらい方

 目に潤いを与えてあげることが大切です。涙に近い成分が配合された人口涙液タイプの目薬(「ソフトサンティア」等)や、角膜を保湿・保護する「コンドロイチン硫酸エステルナトリウム」等が配合された目薬(「新ロートドライエイドEX」等)を選ぶと良いでしょう。コンタクトレンズをお使いの方は、着けたまま点眼出来る目薬を選ぶようにすると良いでしょう。

 なお、目の疲れと一緒に肩こり等の症状も気になる場合や、日常から目の調子を整えたい場合には、これらの症状を改善するビタミン剤(「キューピーコーワiプラス」等)や、肩こりに伴う痛みを和らげる湿布薬、目の潤い・ピント調節機能をサポートする機能性表示食品等を目的に合わせて利用する方法もあります。ご自分に合った商品を知りたい場合には、お気軽に店頭の薬剤師や登録販売者等の専門家にご相談ください。

3. 受診の目安

 疲れ目の症状は、緑内障・白内障・ドライアイ等の目の病気、免疫の疾患や脳神経疾患等の全身の病気により、視力やピント調節機能が低下して現れる場合もあります。疲れ目の症状がつらかったり長引いたりしている、市販の目薬を使用していても症状が改善しない場合には、眼科を受診するようにしましょう。

 季節柄、秋から冬にかけては徐々に空気が乾燥し、目の疲れや目の乾燥等の症状も起こりやすくなります。今回ご紹介した対策ポイントをご参考に、疲れが溜まる前にケアをして、健康な目を維持して快適な毎日を送りましょう。

参考資料

・ 伊東明彦・中村智徳 編(2021)今日のOTC薬 解説と便覧 改訂第5版 南江堂

ドラッグインフォメーショングループ

2023.09.01