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食中毒対策のポイント

 梅雨から夏にかけて高温多湿となる時期は、食中毒のリスクが高まる時期でもあり、ご家庭や近年人気のキャンプやバーベキュー等で発生することも珍しくありません。
そこで今回は、夏に気を付けたい食中毒と、食中毒対策のポイントについてご紹介します。

1. 夏に気を付けたい食中毒

 食中毒は、原因となる細菌やウイルス等が付着した食品、有毒な物質が含まれている食品を摂取することで起こります。高温多湿な夏は、細菌が増殖しやすい環境となるため、特に細菌を原因とする食中毒が多く発生します。今回は、この時期に患者数が多い「カンピロバクター」と「ウエルシュ菌」、少量の菌数でも症状を引き起こす「腸管出血性大腸菌」をご紹介します。

・カンピロバクター

 鶏、牛、豚等の腸管等に存在する細菌で、食肉処理の過程で付着します。生の鶏肉には高い確率で発見されます。少量の菌数でも症状を引き起こすことが特徴で、生のままや加熱が不十分な状態の肉類を食べたり、触れた手や調理器具等を介して口に入ったりした場合に食中毒が発生します。

・ウエルシュ菌

 人や動物の腸管や土壌等に広く生息しています。酸素の無い場所で増殖することと、熱に極めて強い「芽胞(がほう)」を作るため、加熱に強いことが特徴です。そのため、煮込み料理等を常温に置き、徐々に冷めていく過程で増殖しやすい細菌です。調理した食品を常温の環境に数時間置いた後に食べたり、冷蔵庫に保管しても再加熱が十分でなかったりした場合に食中毒が発生します。

・腸管出血性大腸菌(O157等)

 牛や豚等の腸の中にいる病原大腸菌の一つで、O157がよく知られています。感染力が強く、少量の菌でも感染します。また、人体内で増殖する際に、毒性の強い「ベロ毒素」という毒素を作り出し、出血性の下痢の症状を引き起こすことが特徴です。カンピロバクター同様、生のままや加熱不十分な状態の肉類を食べたり、触れた手や調理器具等を介して口に入ったりした場合に食中毒が発生します。

 また、高温多湿の夏は、カビが発生しやすい季節でもあります。カビは、食品の品質を劣化させるだけでなく毒素を作り出し、食中毒等の健康被害をもたらすこともあるため、注意が必要です。

2. 食中毒対策のポイント

 食中毒を起こす細菌には様々な特徴がありますが、食中毒対策のポイントは、原因となる細菌を食品に「付けない」、食品に付着した細菌を「増やさない」、食品や調理器具に付着した細菌を「やっつける」の3つです。

(1) 細菌を「付けない」

 食品に細菌が付着しないために、調理前は手をしっかり洗った後、スプレーやジェルタイプの手指消毒剤を使用しましょう。キッチン用品は、事前に消毒してから使うと良いでしょう。キッチン用品の消毒には、殺菌力の強い次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイター等)を使用すると良いでしょう。次亜塩素酸ナトリウムで消毒した後は、十分に水洗いしてから使用しましょう。

 生の肉類・魚介類には細菌が付着していることがあるため、加熱しないで食べる野菜等へ細菌が付着しないよう、まな板等の器具は使用の都度洗い、出来れば消毒すると良いでしょう。肉類・魚介類と野菜類でまな板を替えることも良いでしょう。

 食品を冷蔵庫に保存する際も、細菌・カビが付着しないように注意しましょう。冷蔵庫は水洗いが出来ない部分も多いため、使用後の水拭きが不要な消毒用エタノールを使用すると良いでしょう。

 食品に細菌が付着しないために、調理前は手をしっかり洗った後、スプレーやジェルタイプの手指消毒剤を使用しましょう。キッチン用品は、事前に消毒してから使うと良いでしょう。キッチン用品の消毒には、殺菌力の強い次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイター等)を使用すると良いでしょう。次亜塩素酸ナトリウムで消毒した後は、十分に水洗いしてから使用しましょう。

 生の肉類・魚介類には細菌が付着していることがあるため、加熱しないで食べる野菜等へ細菌が付着しないよう、まな板等の器具は使用の都度洗い、出来れば消毒すると良いでしょう。肉類・魚介類と野菜類でまな板を替えることも良いでしょう。

 食品を冷蔵庫に保存する際も、細菌・カビが付着しないように注意しましょう。冷蔵庫は水洗いが出来ない部分も多いため、使用後の水拭きが不要な消毒用エタノールを使用すると良いでしょう。

(2) 細菌を「増やさない」

 細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10℃以下では増殖がゆっくりとなり、マイナス15℃以下では増殖が停止します。食品に付着した菌を増やさないためには、低温で保存することが大切です。肉類・魚介類等の生鮮食品やお総菜等は、購入後、出来るだけ早く冷蔵庫に入れましょう。

 また、煮込み料理は、常温のまま長時間放置しないようにしましょう。保存する場合は、出来るだけ短時間で温度が下がるよう、底の浅い容器等に一度に食べられる量を小分けにし、冷蔵庫で保存しましょう。キャンプやバーベキュー等で食品を持ち運ぶ場合は、細菌が繁殖しないよう、クーラーボックス等を利用し、低温で保存しましょう。

 また、調味料や小麦粉等、常温で保管する食品は、カビの発生に注意し、気密性の高い容器や袋、乾燥剤等を利用して、高温多湿を避けて保存するようにしましょう。

 細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10℃以下では増殖がゆっくりとなり、マイナス15℃以下では増殖が停止します。食品に付着した菌を増やさないためには、低温で保存することが大切です。肉類・魚介類等の生鮮食品やお総菜等は、購入後、出来るだけ早く冷蔵庫に入れましょう。

 また、煮込み料理は、常温のまま長時間放置しないようにしましょう。保存す

る場合は、出来るだけ短時間で温度が下がるよう、底の浅い容器等に一度に食べられる量を小分けにし、冷蔵庫で保存しましょう。キャンプやバーベキュー等で食品を持ち運ぶ場合は、細菌が繁殖しないよう、クーラーボックス等を利用し、低温で保存しましょう。

 また、調味料や小麦粉等、常温で保管する食品は、カビの発生に注意し、気密性の高い容器や袋、乾燥剤等を利用して、高温多湿を避けて保存するようにしましょう。

(3) 細菌を「やっつける」

 多くの細菌は食品の中心温度が75℃の状態で1分以上加熱すると死滅するため、調理の際は食品の中まで火がしっかり通るように加熱しましょう。但し、今回ご紹介した中でも、ウエルシュ菌は、一度芽胞が作られてしまうと、加熱では完全に死滅しません。ウエルシュ菌は、大きな鍋の底等、酸素の少ない環境で急速に増殖するため、煮込み料理等は早めに食べ切るようにし、低温保存した煮込み料理を再加熱する場合は、よくかき混ぜ、鍋底に空気を送りながら、全体を十分に加熱しましょう。

 なお、食中毒予防のためには、腸内環境を善玉菌が優勢となるように整えて抵抗力が落ちないようにすることも大切です。善玉菌を補って腸内環境を改善するために、善玉菌が多く含まれるヨーグルトや納豆等の発酵食品を意識して摂ると良いでしょう。善玉菌の栄養源となる食物繊維やオリゴ糖を一緒に摂ると、善玉菌が増えやすくなります。また、善玉菌を補うことが出来る整腸薬(ザ・ガードコーワ整腸錠α3+等)や乳酸菌を補うサプリメント等を目的に合わせて利用する方法もあります。ご自分に合う商品について相談したい場合には、お気軽に店頭の薬剤師や登録販売者等の専門家にご相談ください。

3. 食中毒が疑われる時の対応について

 食後、数時間してから下痢、腹痛、嘔吐、発熱の症状が起きた場合には、食中毒が疑われます。食べ過ぎや飲み過ぎ、油分の多い食事を取った時等、原因が分かっている場合は市販薬の下痢止めを使用することも出来ますが、食中毒が疑われる場合は、自己判断で下痢止め薬を使用せず、病院を受診しましょう。特に、下痢が1日に10回以上続く、血便が出る、嘔吐が続く等の場合には、速やかに受診するようにしましょう。
 また、受診までの間、脱水症状を防ぐための応急処置として、スポーツドリンクや経口補水液等で水分補給をこまめに行うと良いでしょう。

 今夏は、旅行やレジャー等を計画する方もいらっしゃることでしょう。今回ご紹介した対策のポイントを参考に、食中毒で体調を崩さないよう注意し、活動的になる夏を楽しみましょう。

参考資料

・ 伊東明彦・中村智徳 編(2021)今日のOTC薬 解説と便覧 改訂第5版 南江堂

ドラッグインフォメーショングループ

2023.06.01