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日常生活で出来る高血圧予防のポイント

 秋は、夏の暑さが和らぎ過ごしやすくなるため、運動や生活習慣などを見直すのに適した季節です。
そこで今回は、生活習慣病の中でも最も患者数が多い高血圧予防のポイントについてご紹介します。

1.高血圧の原因

 心臓から送り出された血液が血管の壁を押す力を「血圧」といい、血圧が慢性的に一定以上高い状態を「高血圧」、低い状態を「低血圧」と呼びます。現在、日本人の50代の3人に1人、60代以上の2人に1人が高血圧といわれています。高血圧には原因が特定出来ない「本態性高血圧」と病気によって起こる「二次性高血圧」がありますが、日本人の約8~9割が本態性高血圧といわれています。本態性高血圧は、遺伝的な要因の他に、食塩の過剰摂取、飲酒、肥満、運動不足など、生活習慣の偏りが大きく影響して起こると考えられています。そのため、高血圧の予防には、食事・運動などの日頃の生活習慣を見直すことが大切です。

2.食生活のポイント

 主食・主菜・副菜が揃い、必要なエネルギーと栄養素が摂れる、栄養バランスの取れた食事を1日3食規則正しく取ることが、健康な体を作り、高血圧予防の基本となります。これに加えて、次のポイントを意識すると良いでしょう。

(1) 塩分を控える

 食生活の中でまず意識したいのが、塩分を控えることです。1日の塩分摂取量を男性は7.5g未満、女性は6.5g未満を目標に、薄味を心がけ、だし・香辛料・果物の酸味を活用するなどして、塩分を控えるように取り組みましょう。その他にも、次のような工夫を行うと良いでしょう。

・調味料の使い方を工夫する

 日本人は塩分摂取量の約7割を調味料から摂取しているといわれています。味見をして、本当に必要な時だけ調味料を追加すると良いでしょう。卓上調味料を使用する時には、かけ過ぎを防ぐため、小皿などに少量を出して付けて食べるようにしましょう。

また、醤油・ソース・ポン酢に比べると、ドレッシング・ケチャップ・マヨネーズ・酢は比較的塩分が少ない調味料です。ソースの代わりにケチャップを付けるなど、普段使っている調味料を塩分が少ない調味料に代えて使うことでも塩分摂取量が減らせます。塩分に配慮した減塩調味料を使うのも良いでしょう。
 但し、低血圧や汗を大量にかいた時は、適度な塩分摂取が必要となるため、減らし過ぎないように注意しましょう。

・塩分の多い食品の摂取を控える

 漬け物や味噌汁を食べる頻度の多い方は、1回の量を減らしたり回数を減らしたりすることで減塩に繋がります。また、ラーメンなどの麺類の汁には多くの塩分が含まれるため、汁を残すことで塩分摂取量を半分以上減らすことも可能です。その他、ちくわなどの練り製品、ウインナー・ハムなどの加工食品にも塩分が多く含まれているため、取り過ぎに注意しましょう。

(2)野菜、果物、大豆製品、海藻類を意識して摂る

 高血圧の予防には、塩分を控えることに加えて、カリウム・カルシウム・マグネシウムと食物繊維をしっかり摂ることが大切です。カリウムには塩分の吸収を抑え、体外に排出する働きがあります。カルシウムとマグネシウムは、それぞれ必要以上に血管が収縮するのを抑えるため、高血圧の予防に繋がります。

また、食物繊維には腸内の余分な糖質や脂質の他、塩分を体外に排出する作用があります。これらの栄養素は野菜、果物、大豆製品、海藻類などに比較的多く含まれるので、意識して摂るようにしましょう。

(3) 過剰な飲酒は控える

 飲酒は量が多いほど血圧の平均値が上がり、高血圧のリスクが高まります。また、食欲を増進させるため、食べ過ぎから肥満を招きやすくなりますが、肥満もまた自律神経やホルモンの働きに影響し、高血圧のリスクを高めると考えられています。適度な飲酒量といわれている「1日平均純アルコールで20g程度(女性は半分の10g)」を目安に、週2日は休肝日を設けて毎日続けて飲まないようにしたり、過剰な飲酒は控えるように心がけましょう。

3.生活習慣見直しのポイント

 高血圧を予防するためには、食生活の改善と合わせて、運動や睡眠など、生活を見直すことが大切です。次のポイントを参考に、ご自身の生活習慣を見直してみましょう。

(1)運動する習慣を取り入れる

 適度な運動は、血流を良くし、降圧作用のある体内物質やホルモンの分泌を促すため、血圧を下げる効果が期待出来るといわれています。特に全身を使うような有酸素運動が良いといわれています。散歩やウォーキング、ストレッチなどの運動を週3日以上、細切れでも良いので1日に合計30分以上を定期的に行うようにすると良いでしょう。運動する時間を作るのが難しい場合には、通勤時に少し遠回りしてみる、なるべく階段を使う、掃除や洗濯などの家事をてきぱきと行うなど、日々の生活の中で意識して体を動かすことから始め、自分のペースで無理のない範囲で取り組んでみましょう。

(2)しっかり睡眠を取る

 寝不足とストレスは、交感神経を刺激することで血圧を上昇させます。ストレスを緩和するためにも十分な睡眠時間を確保して、規則正しい生活を送るように心がけましょう。

(3) 禁煙に取り組む

タバコに含まれる化学物質が血管の収縮を促すことで、血圧上昇に繋がります。喫煙の習慣がある方は、禁煙をサポートしてくれる禁煙補助薬を利用するなど、禁煙に取り組んでみましょう。

 その他、血圧が高めで気になるという方には、機能性表示食品や特定保健用食品、野菜を補うのに役立つサプリメントなどの健康食品を、ご自身の生活スタイルに合わせて取り入れる方法もあります。ご自身に合った商品が分からない場合や食生活のお悩みなどがある際は、どうぞお気軽に店頭の栄養士などの専門家にご相談ください。
*血圧が高めの方:高血圧と診断されていない 最高血圧130~139 mmHg / 最低血圧85~89 mmHg の血圧の方


 高血圧は自覚症状が殆どないまま気付かないうちに進行してしまうため、ご家庭などで定期的に血圧を測定し、現在の状態を把握しておきましょう。血圧が高めの方は、日頃の生活習慣を見直すことが大切です。減塩を意識した食生活や適度な運動など、出来ることから取り入れ、健康的な毎日を心がけましょう。

ドラッグインフォメーショングループ

2022.09.01