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テーマ冷え症対策で寒い季節を乗り切ろう

寒い季節になると、手先や足先の冷えが気になりませんか?厚生労働省の調査では、女性の約3割が手足の冷えを訴えています。冷え症対策をしっかり行って、冬を元気に乗り切りましょう。

1.冷え症の原因

 冷え症を招く原因は様々です。
 例えば、熱をつくり出す筋肉の量が少ないことや、ストレスや不規則な生活等によって体温を調節する自律神経が上手く機能しないこと、その他、体に合わない下着や靴の締め付けによる血行不良等が挙げられます。

 

(1) 運動量・筋力の低下

 気温が下がると、暖かい場所から移動しなくなり運動量が減ります。
 すると、寒い場所に移動した時に体が冷えやすく、血液の流れが滞りがちになります。

 筋肉は、体温の40%以上をつくり出していると言われていますが、女性は、男性に比べて皮下脂肪が多く筋肉量が少ないため、体が温まりにくいことから、冷え症が多いと考えられています。

 

(2) 自律神経の乱れ

 自律神経には体温を調節する役割があり、暑い時は血管を拡張させて体温を発散させ、寒い時には血管を収縮させて体温が逃げるのを防ぐ働きをしています。

 しかし、体の不調や急激な気温差の影響で自律神経の働きが悪くなると、血管が上手く収縮出来なかったり、極端に収縮したりするため、血流が悪くなります。

 血行不良が原因の冷え症は、手足等の末端が冷えるだけで無く、頭痛や肩こり、むくみ等、全身の不調の原因になります。
 自律神経の乱れは、ストレスや食生活の乱れ等、不規則な生活等が原因で生じると考えられています。

 

2.冷え症を改善する生活習慣

 冷え症の改善には、体を内側から温め、血行を促すと共に、自律神経が上手く働くよう生活習慣を整える必要があります。

(1) 食生活のポイント

・体を温める食材を取り入れよう
 栄養バランスの取れた食事を基本として、冷えが気になる時は、体を温める食材を積極的に摂りましょう。
 なお、体を冷やす食材を摂る場合は熱を加えて調理する等、調理法を工夫すると良いでしょう。

 


・ビタミンEを摂ろう
 ビタミンEは、末梢血管を広げ血行を良くする働きがあり、体を温め、冷え症を改善する効果を持っています。

 また、ホルモン分泌を調節する働きもあるため、自律神経の乱れにも良いとされます。
 かぼちゃや赤ピーマン、アボカド、ツナ(オイル漬け)や、たらこ、アーモンド等の種子類、とうもろこし油等に多く含まれます。

 ビタミンEは、脂に溶ける性質を持つ脂溶性ビタミンの一種です。油脂と一緒に摂取すると吸収率が高まるので、炒めたり、揚げたりして摂取するようにしましょう。

 

 


・ビタミンB1を摂ろう
 ビタミンB1は、ごはん等の炭水化物を効率良くエネルギーに変えるのに必要なビタミンです。
 体内の糖質を燃焼させて体を動かすためのエネルギーを生み出し、体温を上げる働きがあるので、体の冷えを解消するのに効果的です。

 豚肉、うなぎ、乾燥大豆、サケ、レバー、ごま等に多く含まれます。
 特に豚肉は、牛肉の約10倍のビタミンB1を含んでおり、エネルギー源としても大切なたんぱく質を一緒に摂取することが出来ます。

 また、ビタミンB1の吸収をサポートしてくれる成分「アリシン」(※1)が含まれたニンニクやニラ等を一緒に食べると、より効果的です。

※1:「アリシン」

にんにく等の香りの強い野菜に含まれる成分。ビタミンB1と結合することで、その吸収を良くすると言われる。疲労回復を助け、生活習慣病等の病気から体を守る働きがある。細胞を壊すことによりつくられるため、刻む、すりおろす等の加工をすると良い。


・たんぱく質を摂ろう
 食事をすると、体がぽかぽか温かくなるのを感じませんか?これは、食べ物を消化・吸収する時に、体がエネルギーを発散するためで、この熱のことを「食事誘導性熱産生(DIT=Diet Induced Thermogenesis)」(※2)と呼びます。

 この「DIT」は栄養素によって違い、食べた物が熱に変わる比率は、たんぱく質が30%、炭水化物が10%、脂肪が3〜4%くらいと言われています。

 
 また、たんぱく質は筋肉やホルモンの原料になるので、特に体内だけでは合成出来ない必須アミノ酸を含む良質のたんぱく源(大豆製品・乳製品・肉・魚)は積極的に摂るようにしましょう。

■たんぱく質の1日の推奨量(成人)…男性:60g、女性:50g

※2:「食事誘導性熱産生(DIT)」

 食事をした時に、体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費され、代謝量が増大すること。食事をした後に体が温かくなるのは、このため。トレーニングで筋肉を増やしたり、良く噛んで食べる方が食事誘発性熱産生は高くなると言われている。


・スパイスを上手に取り入れよう
 辛いものを食べると体がぽかぽかするように、唐辛子に含まれる「カプサイシン」(※3)、ショウガに含まれる「ジンゲロール」(※4)、コショウに含まれる「ピペリン」(※5)といった辛味成分には、それぞれ血液の流れや発汗を促す等の働きで代謝を活発にし、体を温める働きがあります。
 体を温める食材や栄養素と一緒に、上手に取り入れましょう。

※3:「カプサイシン」

唐辛子に含まれる辛み成分。ホルモンの分泌を促すことで熱エネルギーを発生させ、体を温める効果があると言われている。

※4:「ジンゲロール」

生のショウガに多く含まれる辛味成分。血管を収縮させる物質の作用を抑制することから、血流を促進し、冷え改善効果があると言われている。

※5:「ピぺリン」

コショウ科の植物に含まれる辛味成分。熱の発生を促進すると共に、血流を促進する作用を持つと言われている。

 


・朝食を食べよう
 日常生活での体温は、夜間には低く、早朝に最低となり、起床・朝食後に急激に上昇し、その後もゆるやかに上昇して夕刻前に最高になった後、ゆるやかに下降するという形で変動します。

 体を温める熱の源は食べ物です。朝食は1日の活動に向けて代謝を高め、体温を上昇させるという意味からも、特に重要です。
 パンと野菜スープ、おにぎりと味噌汁等、簡単なものでも良いので、毎朝の食事は規則的に、温かく消化の良い飲食物を摂取することが大切です。

 生野菜に牛乳、またはコーヒー等の組み合わせは良いと思われがちですが、実は水分が多く体を冷やしてしまいますので、温野菜にしたり、温かいココアや紅茶等と組み合わせにすると良いでしょう。

2.生活のポイント

・適度な運動を取り入れよう
 歩く習慣やストレッチ等、日常に適度な運動を取り入れましょう。筋肉量のアップにも繋がります。

・服装を工夫しよう
 体を冷やさないために、体を温める服装をすることも大切です。
 背中、首の後ろ、わきの下には熱を作り出す細胞が多くあるので、しっかりと覆うことで体全体を温める効果が期待されます。

 また、お腹は体の中心と言われ、お腹を温めれば全身が温まると言われています。
 アイテムの工夫をすれば、何枚も着込む必要はありません。
 なお、体に合わない下着等、体を締め付ける衣服や靴は血行不良の原因となるため、避けましょう。

 

 

・入浴で体を温めよう
 38〜40℃くらいのぬるめの湯にゆっくり浸かりましょう。血行促進とリラックス効果を得られます。
 熱い湯は体の表面だけ温まり、内部が十分に温まっていないことが多く、また急激に血圧を上昇させるので、避けましょう。
 また、半身浴や手浴・足浴といった入浴方法もあります。

◇半身浴
 半身浴は、ぬるめのお湯に長時間浸かる入浴方法で、肩まで浸かる入浴と異なり、水圧による心臓への負担が少ないとされています。

 寒い場合は、肩にタオル等をかけて入浴しましょう。また下半身が冷える方も、下半身を中心に温めるのでお勧めです。

◇手浴・足浴
 手足等の冷えを特に感じる方にお勧めですが、足が疲れている時やむくんでいる時等にもお勧めです。
 リラックス効果も期待出来ますので、寝る前や寝付けない時にも良いでしょう。

・禁煙しよう
 タバコは血液の循環を悪くするので、やめましょう。

冷えに関する漢方薬や詳しいアドバイスは、薬剤師コラムをご覧下さい。

2016年12月1日 カワチ薬品 ドラッグインフォメーション室

参考:●全国健康保険協会ウェブサイト
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/

●オムロン ヘルスケアウェブサイト
http://www.healthcare.omron.co.jp/

●テルモ体温研究所ウェブサイト
http://www.terumo-taion.jp/index.html

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